本書は,適応信号処理に関する大学院レベルのテキストとして,いくつかの代表的な適応信号処理アルゴリズムについて,導出,対象とする問題,収束特性の解析,問題点などを系統的に解説したものである。まず,適応信号処理が有用となる様々な問題を紹介した後,各問題ごとにいかなる適応アルゴリズムを用いるべきかを詳述する。ついで,各章ごとに,代表的な適応信号処理アルゴリズムについて,導出と理論的な収束特性の解析に重点をおいて説明している。その際,各章ごとに独立に読み進むことができるよう,記述には十分な配慮がなされている。さらに理解を深めるために,主要なアルゴリズムについては,C言語によるプログラムを示し,直ちに計算機シミュレーションが行える環境を整えているので,テキストとしてのみならず,大学・企業の研究者のための参考書としても最適の書である。
[主要目次] 1. はじめに 2. LMSアルゴリズム 3. 適応格子型アルゴリズム 4. 逐次最小二乗アルゴリズム 5.
最小二乗格子型アルゴリズム 6. 高速トランスバーサルフィルタ 7. 多変数入力の場合の適合アルゴリズム 付録
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