本書は、植物生理学の国際標準の教科書として広く世界各地で読まれてきた名著である。最先端の学問の進歩を遺漏なく取り入れ、精選された項目に限ったコンパクトな教科書である。 植物の構造と機能の基本となる植物細胞の説明からはじめ水と植物細胞との相互作用、物質輸送、光合成、無機栄養、防御機構、成長と発生、各種植物ホルモンの働きなど、植物生理学の主要な内容を網羅している。各章では、基本概念から現在の学問の到達点までを鳥瞰している点で、教科書としてより理想に近い構成である。 学部学生にとっては、最初の植物生理学の教科書として、また大学院生や研究者にとっては、植物生理学の各分野を見通すことのできるハンドブックとして最適である。 [主要目次] 1.植物細胞 2.エネルギーと酵素[Webサイト] 1編 水と溶質の輸送 3.水と植物細胞 4.植物における水収支 5.無機栄養 6.物質輸送 2編 光合成・代謝・栄養 7.光合成:光反応 8.光合成:炭素還元反応 9.光合成:生理学的・生態学的考察 10.篩部点流 11.呼吸と脂質代謝 12.無機栄養素の同化 13.二次代謝産物と植物の防御機構 3編 成長と発生 14.遺伝子発現と情報伝達[Webサイト] 15.細胞壁:構造、構築、伸展過程 16.成長と発生 17.フィトクロムと光による植物の発生制御 18.青色光反応:気孔運動と形態形成 19.オーキシン:植物の成長ホルモン 20.ジベレリン:植物個体の背丈の調節 21.サイトカイニン:細胞分裂の調節因子 22.エチレン:気体で働く唯一の植物ホルモン 23.アブシジン酸:種子の成熟と抗ストレスシグナル 24.花成の調節 25.ストレス生理学 用語 人名索引 事項索引 |