『植物ホルモン・ハンドブック 上巻』 内容紹介文
植物ホルモンと呼ばれる植物成長調節物質は,植物の遺伝的プログラムに従って進行する生活環の各過程に働く化学物質であるが,今世紀に入り主要な5種類の物質群が発見され,まず生理学的研究が,次にその化学的研究が行われて,急速な発展をみた。さらにその作用性や作用機作,および農業・園芸,その他各方面への応用的研究が行なわれ,今日では莫大な知見が得られている。
本書は各種植物ホルモンおよび植物成長調節物質,除草剤などについて,今までの研究成果の概要を研究の歴史,化学(分離・同定・分布,化学構造,合成,構造と活性),生合成と代謝,生理作用(個体・細胞・分子の各レベル)に分けて夫々まとめると共に,主要な文献を網羅して,現在までの研究状況を紹介し,今後の研究に資することを目的として編集されたものである。
〔主要目次〕
1.植物ホルモン(高橋信孝・増田芳雄)
2.ジベレリン(高橋信孝・室伏旭・山口五十麿・鈴木義人・中嶋正敏・山根久和・神谷勇治・神阪盛一郎・宮本健助)
3.オーキシン(増田芳雄・片山正人・丸茂晋吾・鶴見誠二・保尊隆享・山本良一・小柴共一・飯野盛利)
4.サイトカイニン(倉石晉・岩村俶・桜井直樹・辻英夫・渡辺昭)