『食行動の心理学』 内容紹介文
食べ物に好き嫌いがあるのはなぜだろう。空腹感や満腹感はどうして起こるのだろう。食べすぎや拒食が生じるのはなぜだろう。本書は「食べる」という最も日常的な行動を通して,心理学の立場から,さまざまな疑問を解きながら,人間行動を統合的に理解してゆくことを目指したものである。
全体は生理学・神経科学,発達,学習・動機づけ,社会・文化,健康・病理の五つの領域から構成され,それぞれ食行動の理解に必要な基礎事項を,専門の執筆者によって分かりやすく解説したものである。
グルメ志向の生活習慣が広がる一方,偏食や個食も増え,神経性の摂食障害等で悩む人も多く,心理学的な面からの研究や援助・対策が必要となってきている。現代心理学の応用的課題として食行動を学ぼうとしている人はもとより,食品科学・栄養科学の領域や,心理臨床・保健・看護の分野の人々にも,テキストあるいは副読本として役立つものとなろう。
〔主要目次〕
1.食行動の心理学(今田純雄)
2.神経科学・栄養生理の観点から(志村 剛)
3.行動発達の観点から(根ヶ山光一)
4.学習・動機づけの観点から(今田)
5.社会・文化の観点から(今田)
6.食行動の障害と病理(志賀令明)