『老年心理学』 内容紹介文
わが国は世界に類を見ないほどのスピードで長寿社会となり,老年人口の増加は21世紀に入っても続くことが推計されている。このような現象の中で,高齢者の諸心理機能の発達や老化のさまざまな過程を学び,それを理解することが生涯発達の観点からも重要であろう。
本書は,東京都老人総合研究所の心理学部門および社会福祉学部門の現旧スタッフにより執筆された,現在数少ない高齢者心理学のテキスト・入門書である。
内容は老年学の最新の知見を,広くわかりやすく解説したもので,学生および研究者がその興味を深められるよう,それぞれの専門研究者によってまとめられている。
〔主要目次〕
1.老年心理学研究の歴史(中里克治)
2.高齢化社会の到来(下仲順子)
3.老年期の疾患と身体・生理機能の老化(下仲)
4.高齢者の記憶(石原 治)
5.高齢者の知覚と注意(権藤恭之)
6.知能と加齢(下仲)
8.老年期の適応(下仲)
9.老年期の精神的老化と精神障害(中里)
10.死と死にゆく過程(河合千恵子)
11.高齢者を対象とした知能・記憶機能の測定(中里)
12.高齢者を対象とした人格機能の測定と心理療法(下仲)
13.高齢者の主観的幸福感と社会参加(中谷陽明)
14.老年期の家族・対人関係と社会生活(直井道子)
15.老後保障制度と老人保健福祉サービス(冷水 豊)