有限要素法のユーザーのために,わが国を代表する斯学の研究者を結集した編集・執筆陣によって完成された,初めてのハンドブックである。有限要素法は,当初,航空機構造設計における強度計算で,解析のための偏微分方程式の数値解法という形で起こった。その後,応用範囲はますます広がり,今や理工学の各分野において,数値解析の手法としてこれと並ぶものはないほどになった。それは,計算手法の進歩とコンピュータの発展と両々あいまって,解の精度,時間,費用等が格段に改善されたためである。 本書は,このように広がった各面への応用にこたえられるように,編集構成に留意し,基礎的事項はもちろんのこと,最近の進歩をも十分取り入れた。Ⅱ.応用編では,非常に広がった応用について,原理と方法を述べたものである。すなわち,振動解析,安定解析,大変形解析,材料非線形問題,破壊力学への応用,土木・建築・機械など構造工学諸分野への応用,熱・流体・電磁場解析等構造工学以外の分野への応用,境界要素法およびコンピュータ・プログラミングについて述べている。 〔主要目次〕 4.動的問題 5.構造物の安定および大変形解析 6.材料非線形問題の解析 7.破壊力学への応用 8.構造工学諸分野への応用 9.構造工学以外の分野への応用 10.境界要素法 11.コンピュータ・プログラミング |