超新星の爆発や星の表面爆発によって生じた爆風波の星間空間への伝播,および恒星風や銀河風など,宇宙における諸現象を解析する際,流体力学の手法が広く用いられる。 本書では,まず流体力学の基礎方程式がどのように導かれるかを記述し,簡単な1次元の流れから,恒星風や降着流,爆風波の伝播,巨大衝撃波,宇宙の膨張則まで,その解を求める手法を系統的に解説する。通常の流体力学の解説書にはほとんど紹介されていない宇宙流体特有の手法について,学部学生から理解できるよう丁寧に解説した好個の書である。 〔主要目次〕 1.宇宙の階層構造と天体の物理量 2.流体力学の基礎方程式 3.圧縮性流体 4.流体の不安定性 5.自己重力流体の基礎的事項 6.球対称定常流 7.球対称非定常流 8.非球対称な流れ 9.膨張宇宙における衝撃波と重力不安定 練習問題解答 |