『流体力学』 内容紹介文
流体力学は,その長い歴史を通じて完成された美しい理論体系と,そして常に開拓されていく新しい未知の領域とから成っている。本書は,流体力学の古典的理論から最近のソリトン,カオス,乱流などの理論に至るまでの現代流体力学の全容を,初めて本格的に把えたものである。
全巻は,さまざまな流体現象への読者の興味と思考を誘発し,現象の解析と新しい問題への対応の能力を養うという意図で貫かれている。記述は平易かつていねいで,大学初年程度の予備知識で十分理解できるようになっている。本書の基礎的な項目を含む諸章は,大学の学部課程のテキストとして,より進んだ諸章は大学院課程の参考書として,そして全巻は広く流体現象に関わりをもつ研究者のための座右の書として役立つであろう。
〔主要目次〕 
1.流体と流体力学 
2.流体の運動と力 
3.流体の諸特性 
4.流体力学の基礎方程式 
5.完全流体の運動の一般論 
6.水の波 
7.ポテンシャル流 
8.2次元ポテンシャル流 
9.渦運動 
10.音波と衝撃波 
11.高速気流 
12.粘性流の一般論 
13.代表的な粘性流 
14.遅い粘性流 
15.境界層 
16.流れの安定性 
17.乱流