本書は,高校で「物理」の科目を履習していない理科系の学生を対象とした大学初年級向きの電磁気学のテキストである。まず,電磁気を学ぶ上で基本的に重要な電場・磁場という抽象的な概念の導入では,身近な話題を用いながら,それらの物理的な実在感が得られるよう工夫している。 また,数学的に高度なベクトルの微分,すなわち,grad,div,rotなどの使用を避け,簡単な数式と図を用いて平易に解説してある。特に,電磁気学ではたくさんの法則がでてくるので,それらの相互関係を明確にしながら,全体の流れの方向を見失うことなく話を進めている。解説の中で100題余りの例題,問題を設けて,その場で完全な解答を与えるなど,いろいろ工夫された学びやすい入門用テキストである。 〔主要目次〕 1.静電場 2.定常電流 3.電流と磁場 4.電磁誘導 5.準定常電流 6.電磁波 |