平均曲率が一定(≠0)の曲面は、体積一定のまま表面積を最小にすることによって得られる。球面は自明な例であるが、1984年にH.Wenteによって球面とは異なる平均曲率が一定の曲面が発見されたのを契機に、平均曲率一定曲面の研究は大きな進展をみせることとなり、研究方法も多様になった。 本書は、平均曲率一定曲面について体系的にまとめられた初の成書である。表面科学などの諸科学へ応用されるなど近年発展著しい斯学について、基礎的な理論を中心に、最新の知見、研究手法を含め丁寧に解説する。さらに、種々の曲面の例をコンピュータグラフィックスによる美しい図版とともに掲げる。斯学に関連する分野の学生、研究者ばかりでなく、曲面について興味をもつ読者にとって絶好の書である。 [主要目次] 1、曲面論からの準備 2、平均曲率 3、回転面 4、螺旋曲面 5、安定性 6、輪環面 7、バランス公式 8、ガウス写像 9、複雑な平均曲率一定曲面 付録 あとがき 参考文献 図版の出典文献・メディア一覧 索引 |