大学の初年級における「線形代数」の標準的な教科書である。特徴として,以下の点があげられる。(1) 新しい概念が身につきやすいよう,多くの例と図によって,詳しく平易に,かつ視覚的に説明した。(2) 高校数学の知識があればスムーズに学んでいけるよう,つながりを十分考えて理論の展開をした。(3) 章末ごとに,基礎,標準,発展の3段階の問題を設け,計算力と理解力の増進がはかられるようにした。(4) 3色刷にして重要な点を明確にし,学習の便宜をはかった。六訂にあたり,指導要領の改訂によって高校で行列を学ばなくなったことを受け,行列に初めて出合ったときにとまどうことのないよう,冒頭に日常生活の中で見かける行列の例を載せた。 [主要目次] 1. 行列 2. 連立1次方程式と階数 3. 行列式 4. ベクトル空間と線形写像 5. 内積 6. 固有値と固有ベクトル
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