本書は,有限要素法の数学的理論,なかでも収束や誤差評価について論じたものである。有限要素法は,①微分方程式の近似解法である,②複雑な物体を単純な幾何学的形状の要素の集合体とみなすこと,③個別科学を横断的に結ぶ役割を果たし学際的な性格を有すること,という特色があるという視点から,有限要素法における数学の役割について解説する。数学的理論面を扱った本書は,技術者にとっても理論と応用の掛け橋として役立つものである。 [主要目次] 0.有限要素法について 1.偏微分方程式の境界値問題と弱定性化,変分問題 2.Ritz-Galerkin法 3.有限要素法 4.補間誤差 5.有限要素解の誤差評価 6.各種の近似と技法 7.あん点型変分問題と混合型有限要素法 8.非圧縮性流体に対する混合型有限要素法 9.電磁場問題に対する混合型有限要素法
|