本書は統計力学の基礎を学んだ読者を念頭に、相転移、臨界現象の全般についてまとめた入門的解説書である。相転移・臨界現象は統計物理学の主要なテーマであり、その基礎的素養は、統計物理学、物性理論を学ぶ読者はもちろん、他の多くの分野でも大変役立つ、有用な知識である。本書では相転移・臨界現象の標準的なテーマを解説したあと、ランダム系、厳密解、双対性といったややトピック的な題材も取り上げ丁寧に説明している。数学的な厳密さよりは、物理的・直観的な描像の把握を重視した記述がなされ、また、計算の詳細は付録や演習問題解答で学べるなどの配慮がされている。 [主要目次] 1.相転移と臨界現象 2.平均場理論 3.くりこみ群とスケーリング 4.くりこみ群の実際 5.Kosterlitz-Thouless転移 6.ランダムな系 7.厳密に解ける模型 8.双対性
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