本書は理工系大学1, 2年生向けの化学の教科書である。最大の狙いは「化学」という学問のものの見方を理解することである。物理化学と無機化学に主眼をおいて,どの学科の学生でも学習しておくことが望ましい内容についてやさしく解説する。さらに,必要不可欠の数学や物理学の知識については理論の厳密性を損なわないように,また本文の議論を妨げないよう配慮のうえ適宜収録している。改訂にあたって,本文中の記述を全面的に見直すとともに,基礎化学の工業的応用例や実際の生活とのかかわりを紹介するコラム記事を諸所に挿入した。厳密性を保ち,わかりやすさに配慮がなされた本書は,化学の学習に恰好の一冊である。 (主要目次) 1. 原子の構造と電子配置 2. 元素の周期律と属性 3. 量子力学入門 4. 共有結合と配位結合 5. 共有結合分子の構造 6. イオン結合と水素結合 7. 固体の化学 8. 物質系の変化とエネルギー 9. 物質の変化の方向性 10. 物質変化の駆動力と平衡 11. 物質の状態変化 12. 溶液の性質 13. 溶液内の化学反応 14. 化学反応の速度 付録 化学の基礎事項
|