本書は物性分野の読者を念頭において平易に解説した非相対論的場の量子論の入門書である。Ⅰ巻で詳述した場の理論の基本的な考え方が,どのように発展させられるかを,対称性の自発的な破れ,束縛状態の議論,くりこみに関する理論に重点をおいて解説している。特に,物性論への直接の応用というテクニックよりも,その理論の成り立ち,基本的な考え方を理解させるとの方針のもとに,「物性論的な点」よりは「場の理論的考え方」を平明に詳述している。物性関係の読者はもとより,素粒子物理学を志す学生にも非常に示唆に富む有用なテキスト・参考書である。 (主要目次) 6. 演算子の積に関するWickの定理 7. 相互作用の具体例 8. Green関数とDysonの方程式 9. 線形応答の理論 10. 束縛状態の取り扱い 11. 理論の対称性と変換の母関数 12. 基底状態の縮退とGoldstoneの定理 13. くりこみ理論 14. くりこみ群とCallan-Symanzikの理論 付録
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