本書は物性分野の読者を念頭において平易に解説した非相対論的場の量子論の入門書である。初等量子力学の予備知識で十分理解できるよう平明かつ具体的な説明を心がける一方,数式の裏にある物理的意味を明快に与えるなど,正確な物理像が描けるよう適切な配慮がなされている。特に一般論では,粒子性を強調すべくHeisenbergの運動方程式を基礎に場を量子化する方法で一貫している。なお物性論における有用な手法についてはⅡ巻で詳論する。物性関係の読者のみならず,素粒子物理学を志す学生にも示唆に富む好適なテキスト・参考書である。 (主要目次) 1. 量子力学の復習と,場の量子論に必要な代数 2. 量子力学的多体問題と場の量子論 3. 素励起の考え方 4. 場の量子化の一般論 5. 正確に解ける例 付録
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