理工系の大学において微分積分と線形代数を一通り学習した学生向けにまとめられた微分方程式の入門書。微分方程式は解法により分類できるが,本書の前半では「求積法」で解けるものを中心に解説し,多くの種類の形の微分方程式を紹介する。後半では,線形代数で習う行列の対角化やジョルダン標準形による連立1階微分方程式の解法,および求積法で解けない非線形の微分方程式の解析法など,重要ではあるが他書であまり取り上げられない発展的内容を多くの図を用いて解説する。解が得られるまでの途中経過の計算をていねいに記述することで,初学者がとまどうことなく学ぶことができるよう配慮する。 (主要目次) 1. 微分方程式の一般論と応用例 2. 変数分離形とその変形 3. 1階線形微分方程式 4. 1階完全微分方程式 5. 高階微分方程式と階数低下 6. 2階線形微分方程式 7. 定数係数線形微分方程式と記号解法 8. 線形系 A. ラプラス変換と初期値問題 B. 微分方程式の定性的解析 C. 複素指数関数と行列指数関数 参考文献 問と問題の略解
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